歯がなくなる原因は?
虫歯を放置してしまった
若い方が歯を失う原因として多いのが、虫歯です。早期であればほとんど削らずに治療が可能なケースも多いものの、反対に放置してしまうと抜歯のリスクが高まります。
歯周病を放置してひどくなった
歯を失う原因としてもっとも多いのが、歯周病です。
進行すると歯周ポケットの奥深くまで炎症が広がり、顎の骨が溶け、最悪の場合には歯の脱落に至ります。
歯をぶつけた・折れた
硬いものにぶつかった場合など、その衝撃で歯が抜け落ちてしまうことがあります。再植という方法もありますが、必ずしもうまくいくとは限りません。 折れてしまった場合も、接着が可能な場合と、そうでない場合があります。
顎や歯肉に腫瘍ができた
顎骨中心性がん、歯肉がんなど、その手術の過程で抜歯せざるを得ないことがあります。
抜けやすい歯の特徴
歯周病が進行中の歯
歯周病は、重度にまで進行すると歯が脱落することもある病気です。
特に、歯周ポケットの深さが6ミリ以上の方は、早急に適切な治療を受ける必要があります。
痛みが一旦落ち着く、膿が出てきた虫歯
虫歯が重度にまで進行すると、それまであった痛みが一旦落ち着きます。ただ治ったわけではなく、放置していればさらに進行します。歯の根まで炎症が広がり、膿が出るようになると、再度、激しい痛みに襲われます。
差し歯で治療したことのある歯
根管治療後に土台を作り、差し歯を取り付けたケースは、栄養を送り届ける神経を失っているため、脆くなります。割れたり、根管内で細菌が繁殖するなどして、抜歯せざるを得ないことがあります。
部分入れ歯の隣にある歯
部分入れ歯を使用するときには、金属のバネを両隣の歯に引っかけることになります。
本来はかかるはずのない負担が加わることで、歯の寿命が短くなるおそれがあります。
歯が抜けた後に放置すると
残念ながら歯が抜けてしまったとき、あるいは抜歯処置が行われたとき、そのまま放置していると、以下のようにさまざまな悪影響が発生します。
噛み合う歯が伸びてくる
噛み合う相手を失うと、歯は何かにぶつかるまで伸びてきます。一度伸びた歯を元に戻すことは困難であり、またそのときになってインプラントや入れ歯の治療を受けるにしても、正しい噛み合わせを再現することが難しくなります。
歯並びが乱れる
歯は、スペースのある方へ移動します。抜けた部位の隣の歯は、次第に空いたスペースに傾き、さらにその隣の歯も傾き、歯並びが乱れてきます。
正しい咀嚼ができない
特に多数歯を失った場合には、咀嚼にも影響します。食べ物を飲み込む癖がつけば、胃腸の負担も増します。また、脳への刺激が減少します。
その他、左右どちらかで偏って噛む習慣が、顎関節症の原因になることもあります。
審美面(口元・顔貌)への影響
歯がないことで、歯列の美しさは当然低下します。また、歯を失うと、その歯を支えていた顎の骨の吸収が始まり歯茎が下がります。
さらに、頬がこけたり、口元の皮膚のハリが失われたりと、顔貌にも影響します。
発音への支障
空気の抜け方が変わるため、発音に支障をきたします。
歯が抜け始める前から歯を守ることが重要です
厚生労働省の実態調査によると、50代から失われる歯が顕著に増え始めます。その後、60代では平均約6本、70代で約9.5本、80代で約15本の歯が平均して失われます。
しかし、抜けた歯は、二度と生えてくることはありません。当たり前のことではありますが、歯を失う前から、歯を失わないように対策を講じることが大切です。
予防は、何歳からでも始められます。ぜひ、今日から始めてください。何から手をつければいいのか分からないという方、自分に合ったブラッシング方法を教わりたいという方、虫歯・歯周病を放置してしまったので今から治して今度こそ予防に取り組みたいという方、どうぞお気軽に、当院までご相談ください。
歯がなくなる前にできる歯を守る治療や方法
歯髄再生治療
親知らずなどの不用歯から歯髄幹細胞を採取し、神経を取り除いた歯に移植することで、歯髄と象牙質を再生させる治療です。再生された歯髄を介して歯質に栄養が行き届くようになり、免疫力を維持します。
虫歯や歯周病治療
虫歯も歯周病も、治療の開始が遅れるほど、ダメージを回復させるのが難しくなります。早期発見・早期治療のためには、丁寧にセルフケアを行いながら、定期的に検診を受けることが大切です。
精密根管治療
神経を取り除き、洗浄・消毒・薬剤充填を行い歯の根を残す治療です。根管治療で重要になるのは、その精密性です。マイクロスコープやラバーダム防湿に対応している歯科医院で治療を受けることをおすすめします。
定期的に歯科医院でメインテナンスを受ける
取り残したプラーク・こびりついた歯石の除去、虫歯・歯周病をはじめとする口腔トラブルのチェックなどが受けられます。また、患者さまのお口に合った予防処置も受けていただけます。
セルフケアにフロスや歯間ブラシを取り入れる
現在歯磨きだけでケアをしている方は、デンタルフロスや歯間ブラシも併用するようにしてください。
歯間が狭い方にはデンタルフロスが、歯間が広い方には歯間ブラシがおすすめです。
歯ぎしり・食いしばり対策をする
マウスピースの作製、咬合調整、矯正治療によって、歯ぎしり・食いしばりを軽減します。
食生活の栄養バランスを整える
お菓子や甘いジュースなどを摂り過ぎない、栄養バランスに優れた食生活へと改善しましょう。
特に、ダラダラと長い時間食べたり、頻繁に間食をすることで、歯の再石灰化が追い付かなくなり虫歯リスクが高まります。
喫煙習慣を見直す
喫煙は、歯茎の血流を悪化させ、歯周病の原因になります。できる限り禁煙しましょう。