こんにちは。
名古屋RD歯科クリニックの田中宏幸です。
前回はなぜ歯髄再生が良いのかというお話を書かせていただきました。
ではどんな状況で歯髄再生治療を希望されることが多いのでしょうか?
・何年か前にぶつけてそのままにしていたら色が変わってきて神経が死んでいることに気
付いた。
・以前前歯をぶつけて根の治療をしたが、歯茎から膿が出てくるようになった。
・被せ物に隙間があるのでやり直したいが、中の根っこに違和感があるので大丈夫か気
になる。
・歯の神経を取って治療してから、歯が抜ける夢をみるので元に戻せないか?
・前歯の神経をとってセラミックで歯並びを良くしたが、何本も根の先に炎症があると言
われたがどうしよう。
・虫歯が大きくなってしまい、かなり痛いので、神経を取る治療を勧められたが、取った
後に神経を戻せないか?
等々、このようなことがあって色々調べていると、歯の神経が無くなると寿命が短くなるというのを見て不安になったということが多いようです。
ただ言えるのは、歯髄を再生するにしても通常の治療をするにしても根管治療(簡単に言うと根の管を綺麗にお掃除することです)が必ず必要になってくるということです。
そこで、日本での根管治療の内訳を見てみましょう。
抜髄(神経を取る治療)は年間約650万本!もあると言われています。
それと、
感染根管治療(やり直し)は年間約842万本!!
あれ!?
やり直しの方が圧倒的に多いではないですか!!?
当院での根管治療もほぼやり直しが殆どです。
これを見られている方の中にも、歯医者さんに検診に行ってレントゲンを撮ったら根の先に黒い影(根尖病変)があるので根の治療をやった方がいいと言われたことがあるかと思います。
それぐらいやり直しが多いです。
当然、根の治療をやり直すということは、歯も削りますので次第に薄くなりこのように割れやすくなります。
では、なぜやり直しばかりなのか?
問題はこれです!
と一言では言えないのですが。。。
まず第一の原因は一番しっかりやらなくてはいけない所なのに、保険治療での根管治療の報酬が少なすぎ”(-“”-)”
時間や機材などの制限がでてしまい、早く終わらせなくてはいけないといった問題が立ちはだかる。(それでも赤字を承知でしっかりやられている先生も沢山いらっしゃいます)
抜髄の時(一番大切な時です)、ラバーダ
ムを使って時間をしっかりかけて行えば失敗は少なくなるはず。下の写真は抜髄時ので、歯の周りの青いシートがラバーダムです。
上の写真は神経を残すためのVPT(歯髄温存療法)という治療ですが、これ(ラバーダム)をしていれば、上のように歯に穴が開いた状況でも唾液が入り込んだりして菌が侵入するのを防ぐことができますし、消毒の薬などが口の中に流れて不快な思いをしなくて済みます。もちろん、仮蓋もしっかりした物をしておけば2回目までの間もバイキンが入るのを防ぐことができるので安心です(^.^)/
次回は根管治療に必須の物などを紹介します。
ありがとうございました。