こんにちは。
院長の田中です。
またまた、間が空いてしまいました(*’ω’*)
今回のお題は、根の先の炎症(根尖病変といいます)についてです。
一般的に根管治療の最後には、大体ガッタパーチャポイントとシーラーの組み合わせか、MTAというセメントを使って根の管を密封する方法をとります。
その上はコア材、被せ物ということになります。
が、その後の歯の経過を聞かれたことがあるでしょうか?
Jakovljevicらの研究によれば、根管治療を受けた歯の40%に根尖病変が再発し、世界的には約52%の頻度で発生しています。
さらに、人工物による充填では、根管治療後の歯の生存率が低く、20年間で71%、25年間では46%まで低下するという調査結果も出ています。(Peterssonら2016.スウェーデン、Lee ら 2012.スペイン)
この根の先の炎症(レントゲンで根の先に黒く写るやつ)を見たことがある方はいらっしゃると思います。
自覚症状が出ないことも多いので気づかず、レントゲンでみつかる場合が殆どです。そして痛くもないのに治療する必要があるの?と思われる方もいらっしゃると思います。
上の写真は、根尖病変から外に膿が出てきたときにできる瘻孔ですが、セラミックが被せてあったり、保険の銀歯でも被せてから日が経っていなかったりする場合、そのまま様子を見ていることもあるかもしれません。
しかし、この炎症は歯周病と同じで全身の疾患に影響を及ぼしている可能性があるんです。
海外の調査では根尖病変が慢性化すると、心血管疾患や糖尿病、肝・腎疾患などのリスクが高まることが報告されています。
ではどうすればいいのかと言うと、もう一度根管治療をしないといけないということになります。
それでもまた再発したり、根尖病変が消失して治ったとしても再治療によってさらに歯が薄くなってしまい、将来歯が割れてしまって抜歯になってしまうことがあります。
そういうことで神経を取った歯が寿命が短くなるといったことが起こってくるんですね。