こんにちは。
名古屋RD歯科クリニックの田中宏幸です。
自由診療の詳しい内容の前に、当院が取り組んでいる治療に歯髄再生治療があります。
歯髄再生治療においては、日本の歯科医院で一番最初に厚労省に第2種再生医療等提供機関として届け出をし、認められたのが2021年です。
それから約2年経ちました。
丁度、自由診療専門に移行したと同時期ですね。
最初は、再生するなんて嘘だ、、金儲けだ、、なんて否定的な声も多々ありましたが、講演会などをさせていただき、だんだんと認知され、取り組まれる先生が増えてきました。それでもまだ日本で13件ほどです。
その中で、最初からやっているということもあり症例数としては当院が日本で一番多いです。
相談に来られる方の質問で一番多いのが、本当に成功するのか、成功率はどれくらいなんですか?といったことですが、今のところすべての方が再生を確認できています。
最低限のルールを守れば、ちゃんと歯髄は再生するんだというのが分かってきました。
それで、何のために歯髄を戻すの?何かいいことあるの?
というところですが、こんなデータがあります。
8020推進財団の「永久歯の抜歯原因調査」
65~69歳が抜歯のピークで、歯周病が多いですが破折も多くなっています。
下は抜歯した歯の神経があるかないかです。
半分以上、神経がない状態です。
歯の神経を取ると枯れた木のようになって脆くなるとか言われますが、実際はそうではありません。
何が良くないかというと、削りすぎ(虫歯が大きいとしょうがないですが)、根の治療が上手くいかず再治療を繰り返す(これが良くない)といったことが原因で、歯がだんだん薄くなり、ある時ヒビが入り、破折に至る。そして抜歯と。
歯が無くなると、ブリッジや入れ歯で他の部分に負担がかかるようになったり、そのままほかっておくと嚙み合わせも悪くなり不具合がでたりと、負の連鎖が起きてくる。
その結果が65~69歳あたりに当たりに出ているようです。
その連鎖をどこかで止めないといけない。
そのためには、虫歯になった時、神経を取らないように治療するのが一番いいのですが、なかなかそう簡単にはいかないこともあります。
それとよくあるのが、ぶつかった拍子に前歯の神経が死んでしまい色が茶色くなってきた、根の先が膿んで腫れてきて気づいたとか、、これはもうどうしようもありません。
この時にどう治療するかで、その先ずっと歯を持たせられるかが決まるといっても過言ではありません。
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、本当に重要なことです。
だから、もし神経をとることになった、あるいはもうすでに根の治療をして詰めてある、また根の先で炎症が起きて再治療しないといけない、今自覚症状が無くても過去何度も治療を繰り返して薄くなっているような状況の歯には、神経を再生させ、薄くなった根の強度を取り戻すことで、歯の寿命を延ばす治療が必要なんですね。